動物園は身近にいながら多種多様な動物の姿を撮影できる、カメラ好きにとって格好の撮影スポットだ。ただし実際に撮ってみると、柵やガラス越しの撮影が難しかったり、動物が遠くて小さく写ったりと、思い通りにいかないことも多い。
この記事では、動物園で活きた写真を撮るためのレンズ選び、カメラ設定、柵やガラス越しの撮影テクニックまでを解説する。

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動物園撮影に適したレンズ
望遠ズームレンズがメイン
動物園では動物との距離がさまざまなので、70-300mmクラスの望遠ズームレンズが1本あると幅広く対応できる。大型動物(ゾウやキリン)は比較的近い場所から見られるが、猛獣エリアの奥にいるライオンやトラを撮るには300mm以上の焦点距離が欲しい。
- 70-300mm:動物園撮影のスタンダード。手軽な価格帯で各メーカーから揃っている
- 100-400mm:奥にいる動物もしっかりアップで撮れる。野鳥撮影にも使える
- 24-70mm / 標準ズーム:近くにいる動物や、動物と風景を一緒に撮りたいときに
明るいレンズの利点
F2.8クラスの望遠ズームや、F4の中望遠単焦点があると、背景をきれいにぼかして動物だけを浮き立たせる写真が撮れる。また、屋内展示や曇天の動物園では光量が不足しがちなので、明るいレンズだとISO感度を抑えられてノイズの少ない写真になる。
動物園撮影のカメラ設定
- 撮影モード:絞り優先(Aモード)が使いやすい。F値を開放〜1段絞りにして背景をぼかす
- シャッタースピード:動きのある動物は1/500秒以上、じっとしている動物は1/250秒程度で十分
- ISO感度:晴天の屋外ならISO 100〜400。曇天や屋内はISO 800〜3200
- AF設定:動き回る動物はAF-C(コンティニュアスAF)。動物認識AF(瞳AF)が使える機種は積極的に活用
- 連写:表情や動きの変化を逃さないため、連写モードにしておく
動物の目にピントを合わせる
動物写真でもっとも大切なのは目にピントが合っていることだ。目がシャープに写っているだけで、写真の印象がまったく違ってくる。動物認識AFや瞳AFが使えるカメラなら自動で目にピントを合わせてくれるので、積極的に活用しよう。

柵・金網越しの撮影テクニック
動物園では柵や金網の向こうにいる動物を撮らなければならない場面が多い。しかし工夫次第で柵を「消す」ことができる。
柵を消す3つの方法
- レンズを柵にできるだけ近づけてF値を開放にする:被写界深度が浅くなり、手前の柵がぼけて見えなくなる。柵の隙間からレンズを突き出せればベスト
- 望遠レンズの圧縮効果を利用する:焦点距離が長いほど被写界深度が浅くなり、柵のボケが強くなる。300mm以上の望遠で開放F値ならほぼ消える
- 柵の間隔と太さを確認する:柵が細く間隔が広いポイントを探すと、柵越しでもクリアに撮りやすい
レンズを柵の隙間に入れる際は、周囲の来園者に配慮しよう。また柵を傾けたり破損させたりする行為は当然NGだ。
ガラス越しの撮影
ガラス越しの展示では、水族館撮影と同様にレンズをガラスに密着させて映り込みをカットする方法が有効だ。暗い服を着る、レンズフードで周囲の光を遮る、といった工夫も効果がある。ガラスに押し当てる撮り方はどうしてもレンズ先端が汚れるので、クリーニングクロスを一枚ポケットに入れておくと撮影のテンポが落ちない。
動物園で活きた写真を撮るコツ
動物の目線の高さで撮る
上から見下ろすように撮ると、動物の魅力が半減する。できるだけ動物の目線と同じ高さにカメラを構えよう。小さな動物はしゃがんで、大きな動物は立ったまま撮るのが基本だ。
表情やしぐさを待つ
あくびをした瞬間、毛づくろいをしている姿、こちらに視線を向けた瞬間。動物のいきいきとした表情を撮るには、「待つ」ことが大切だ。シャッターチャンスは突然やってくるので、連写モードにして構えておこう。
背景の整理
動物園は人工物(看板、手すり、コンクリート壁)が写り込みやすい。望遠レンズで背景をぼかしたり、アングルを変えて自然の緑を背景にしたりと、背景の整理を意識すると写真のクオリティが上がる。

撮影に適した時間帯と季節
開園直後がおすすめ
朝の開園直後は動物が活発に動いていることが多く、来園者も少ないため撮影に集中しやすい。日中は日陰で寝てしまう動物も、朝は餌を食べたり動き回ったりしていることが多い。
曇天の日も狙い目
晴天だと日なたと日陰のコントラストが強くなり、白飛びや黒つぶれが起きやすい。曇天のほうが光が均一で、動物の毛並みのディテールがきれいに写りやすい。
季節ごとの被写体
- 春:赤ちゃん動物が生まれる季節。親子の姿が愛らしい
- 夏:水遊びをするカバやゾウ、プールで泳ぐペンギンが見られる
- 秋:紅葉と動物の組み合わせが美しい
- 冬:冬毛でモフモフになった動物が撮れる。レッサーパンダやニホンザルの雪景色も人気
Q&Aコーナー
Q. コンデジやスマホでも柵は消せる?
センサーサイズが小さいコンデジやスマホは被写界深度が深いため、柵をぼかすのは難しい。スマホの場合は柵の隙間からレンズを出すのがもっとも効果的な方法だ。
Q. 動物園でのストロボ使用は?
多くの動物園ではストロボの使用を禁止または制限している。強い光は動物にストレスを与えるため、自然光かISO感度を上げて対応しよう。
Q. 動物園で特に撮影しやすい動物は?
ペンギン、カピバラ、レッサーパンダなど、人間を怖がらず近くに来てくれる動物は撮りやすい。逆にネコ科の猛獣は日中寝ていることが多いため、朝イチか夕方の活動時間を狙おう。
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動物園撮影の現像・レタッチのコツ
背景の人工物を目立たなくする
動物園の写真では、背景にコンクリートの壁や看板が写り込んでしまうことが多い。現像ソフトで背景の彩度を下げたり、仿径補正で背景の色を変えたりすると、動物がより引き立つ写真になる。
トリミングで構図を整える
撮影時に構図を完璧に決めるのは難しい。後からトリミングで不要な部分をカットし、動物を三分割の交点に配置するなどの工夫で、写真の完成度が大きく上がる。高画素のカメラなら大胆にトリミングしても十分な画質を維持できる。
動物の毛並みをきれいに出す
明瞭度(クラリティ)を少し上げると、動物の毛並みのディテールが強調される。ただし上げすぎるとノイズも強調されるため、+10〜+25程度が目安だ。ライオンのたてがみやレッサーパンダのふさふさの毛など、質感の再現にこだわると写真のレベルが変わる。

動物園撮影の便利アイテム
- 一脚:三脚より軽量で機動性が高く、動物園内を移動しながらの撮影に向いている。望遠レンズの重さを支えてくれる
- レンズクロス:動物園ではレンズが汚れやすい。こまめに拭けるようクロスを携帯しよう
- 予備バッテリー:動物園は1日がかりになることが多い。バッテリー切れでシャッターチャンスを逃さないよう、予備を持っておこう
- 防水カバー:突然の雨や、水遊びエリアでの水しぶきからカメラを守るために携帯しておくと安心
動物園撮影でのAF設定の使い分け
AF-Sとaf-Cの使い分け
じっとしている動物(日向ぼっこ中のカメ、座っているゴリラなど)にはAF-S(シングルAF)で正確にピントを合わせる。動き回っている動物(走るチーター、泳ぐペンギンなど)にはAF-C(コンティニュアスAF)でピントを追尾させる。
動物認識AF・瞳AFの活用
最新のミラーレスカメラには動物認識AFが搭載されている機種が増えている。動物の瞳を自動で検出してピントを合わせてくれるため、特に表情を撮りたい場面では非常に便利だ。ただし柵越しの撮影ではAFが柵に引っ張られることがあるため、その場合はMF(マニュアルフォーカス)に切り替えよう。
連写モードの活用
動物の表情は一瞬で変わる。あくびをした瞬間、水しぶきを上げた瞬間を逃さないために、連写モードを常にオンにしておくのがおすすめだ。秒間10コマ以上の連写速度があれば、決定的瞬間を捉えやすい。あとからベストカットを選ぶ方式で撮ろう。
動物園撮影を楽しむためのアドバイス
動物園撮影を存分に楽しむために、いくつかのアドバイスを紹介する。まず、事前に動物園の公式サイトで園内マップと動物の展示エリアを確認しておこう。お目当ての動物がいるエリアの位置を把握しておけば、効率的に回れる。
飼育員による餌やりタイムは動物が活発に動く絶好のシャッターチャンスだ。餌やりのスケジュールは園内掲示や公式サイトに載っていることが多いので、事前にチェックしておこう。
また、何度も同じ動物園に通っていると、動物の個性や行動パターンが見えてくる。「この時間帯にはこの場所でくつろいでいることが多い」といった情報は、撮影の成功率を大きく上げてくれる。
まとめ
動物園撮影は70-300mmクラスの望遠ズームレンズが1本あれば幅広く楽しめる。F値を開放にして柵をぼかし、動物の目にピントを合わせることを意識するだけで、写真の仕上がりがぐっとよくなる。
開園直後の活発な時間帯を狙い、動物の目線の高さで待ち構えてシャッターチャンスを逃さず撮ろう。身近な動物園で、野生さながらの表情を切り取る楽しさをぜひ味わってほしい。
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参考:OM SYSTEM – 動物写真撮影テクニック、フジヤカメラ – 動物園で使う望遠レンズ、Adorama – Best Lenses for Wildlife Photography
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